LINEリサーチでは、新型コロナウイルスの感染拡大防止に対応する職場やテレワークの現状を中心に調査しました。非常事態宣言後の今回は、業種による違いが数値としても明確に見えてきました。
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◆Topics◆

1.職場での対応は、全ての項目で前回調査より上昇
2.「テレワーク」、先行非常事態宣言地域の一都三県では53%
3.「テレワーク」、事業規模に正比例
4.「テレワーク」、業種による差異が明確。「ITに連企業」に次いで「金融・保険」「商社」
5.「テレワーク」、対応困難な業種とは
6.「医療」「福祉関連」「社会インフラ等」の仕事への不安
7.「飲食」「レジャー」「理容・美容」の収入減少への不安


1.職場での対応は、全ての項目で前回調査より上昇

会社員・公務員の人たちに聞いた、職場の対応や推奨されていることは、前回前々回調査時(2/19、3/2実施)と比較すると、すべての項目において増加しています。 上位は「マスクの着用の推奨/義務付け」が最も高く6割。次いで、「手指のアルコール消毒用品の常備」が約6割弱となりました。

今回3割以上かつ、前回に比べて2倍以上の増加率だったのは、「出社前の検温の推奨/義務付け」(前回16%→今回42%)「テレワークの推奨/義務付け」(前回14%→35%)となりました。

職場対応全体


2.「テレワーク」、先行非常事態宣言地域の一都三県では53%

全国で35%まで上昇した「テレワーク」ですが、最も早く非常事態宣言の出た地域の1つである一都三県に絞ると、53%と半数以上になりました。
前回調査(3/2)では24%であり、2倍以上の高い上昇率が見られます。

telework一都三県


3.「テレワーク」、事業規模に正比例

事業の規模によってもテレワークの実施に違いが見られ、事業規模とテレワーク対応率はほぼ正比例しています。
事業規模が500人以下の規模の職場でのテレワーク実施は、全国平均の35%よりも少ない結果となっています。

telework事業規模2

※【4/24追記】4/23掲載時の事業規模の一部n数に誤りがあり上記修正済

4.「テレワーク」、業種による差異が明確 「IT関連企業」に次いで「金融・保険」「商社」

業種別に見てみると、それぞれ導入の状況にかなり違いがあるのが分かります。
上位の業種では、テレワークが導入しやすいIT関連企業が高い結果となり73%となっています。
次いで高いのが「金融業・保険業」で58%、また「学校・教育法人」「卸売業・商社」「不動産業」が40%以上と続きます。

一方、業種柄、対応自体が困難である「医療」「福祉関連」「飲食業・飲食関係」「運輸・運送・倉庫業」については2割を切る実施率です。

telework業種別

5.「テレワーク可否」と「休業」で分かれる対応

一口にテレワークに対応できない職場といっても、その状況は異なります。
以下グラフの青枠のグループは、既に前章でご紹介してきたような「リモートが比較的可能な職場(青)」です。こちらは、大枠では事業が継続可能な状況にあると思われます。
それ以外の「リモートが困難な職場=人と接する・職場環境必須な仕事」には、少なくとも以下2つの種類があると思われます。

「社会機能を担っておりその性格上休業等ができないため、従来と同じもしくは近い体制で働いている(緑)」「休業したり稼働率を落としている(赤)」、これら職場では、それぞれ別のリスクを抱えています。

業種別数表2

6.「医療」「福祉関連」「社会インフラ等」の仕事への不安

リモートも休業もできない、緑枠グループの代表は「医療」「福祉関連」「社会インフラ等」と考えられますが、日々の感染へのプレッシャーと人・物資不足が言われている仕事です。そういった業種の方々の不安の声を以下一部ご紹介します。

・医療現場で働いてるため、自分自身感染しやすい環境にいるため。(女性30代,会社員 ,医療)

・職場の利用者が熱を出しても防護服なしで相手に接する事がありコロナではないか不安だ。(男性60代,会社員 ,医療)

・介護職についている。施設や病院の集団感染が怖い。(女性60代,パート/アルバイト ,福祉関連)

・致死率が高いから(男性60代,パート/アルバイト ,福祉関連)

・持病がある家族・高齢の祖母が居るため、自分自身が持って帰ってしまったらと不安に思う。(女性30代,会社員,医療)

・感染者がまた増えてきている為。(女性50代,会社員 (派遣社員/契約社員)  ,医療)

・医療崩壊(女性20代,公務員 ,医療)


7.「飲食」「レジャー」「理容・美容」の収入減少の不安が顕著に

「いまの生活の中で困っていること」の質問(※参考)の中から、「収入の減少」の項目をピックアップし、業種別に見ていきましょう。

「収入が減りそう/減っている」は全体では3割強にとどまったものの、「飲食業・飲食関連」「レジャー関連サービス(ホテル・レジャー施設など)」「理容・美容・エステ」の業種では、5~6割の人が「困っている」と回答しています。
また、上記業種ほどではないものの「製造業(自動車関連)」「マスコミ・メディア関連」「運輸・運送・倉庫業」「百貨店・ドラッグストア」の業種でも、新型コロナウイルスによる外出自粛や休業要請の影響を受けての、収入減少への不安が高まっていることがわかりました。

業種別収入




緊急事態宣言が全国に拡大している中、休業要請を含め様々な職場での対応が求められています。今回の調査から、着実に職場のテレワークも増え、各企業等が命を守る行動を行っていることがうかがえました。
しかし一方で、人と接する仕事では、環境対応がしきれない苦境も浮き彫りになっています。

いま、私たち一人ひとりができることは何でしょうか。身近なアイデアや少しの行動が、私たちみんなの救いになる可能性があります。
例えば飲食業では、ウェブでの情報支援や、テイクアウトなど、周囲の人を含めた新しい取り組みが次々と始まっています。この状態を乗り切るために、物理的・心理的ないろいろな面で、今の時代ならではの私たちの知恵を臆することなく出し合いましょう。


LINEリサーチでは、今後も必要性を見極めて、定期的に新型コロナウイルスについての調査を行い、情報を発信していきます。様々な局面で皆さまに役立つ調査のインフラとして、より良い社会生活のために活動してまいります。

【関連調査】

【調査について】

LINEユーザーを対象にしたスマートフォンWeb調査
調査対象:日本全国の15歳~69歳の男女
実施時期:①2020年2月5日実施 ②2020年2月19日実施 ③2020年3月2日実施 ④2020年4月16日実施
有効回答者数:①5,233名 ②5,024名 ③4,991名 ④10,442名
※性別年代構成比を市場にあわせてウェイトバック
※各回フレッシュサンプルで実施
※①②③までは新型コロナウィルス認知者99%をベースに、④の今回は全員をベースに調査結果を構成しています。

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