新型コロナウイルス感染拡大による影響は、高校生、大学生にも大きな影響を与えています。LINEリサーチでは、高校生、大学生の生活や気持ち、アルバイトの状況など、日々の生活にどのような変化があったのか調査をしました。

こちらでは高校生の調査結果をお伝えします。

◆Topics◆

1.通っている高校の約9割が一斉休校(4/15時点)
2.休校中の高校からのサポートは、プリント等の配布やネットを通じた課題指示が主、オンライン授業は約1割
3.高校生のオンライン学習・授業を受ける環境は、スマートフォンが7割
4.自宅での過ごし方は、「ネットやアプリ」「ゲーム」をする時間などが増え、約5割弱が「やる気が起きないことが増えた」と回答
5.「勉強の遅れ」「運動不足」が生活の中での“困っていること”の上位
6.アルバイトの状況は、約半数がシフトが減り、約6割が収入の減少

1.通っている高校の約9割が一斉休校(4/15時点)

4月15日時点の調査では、高校生の約9割が、学校が一斉休校だと回答しました。

学校の状況



2.休校中の高校からのサポートは、プリント等の配布やネットを通じた課題指示が主、オンライン授業は約1割

約9割の高校生が休校になっている今、学校からの学習サポートとしてはどのようなことが行われているか聞きました。
約6割が学校から「休校期間用のテキストやプリントが配布」されていると回答。次いで、「学校から宿題や課題がネット(ホームページやメールなど)を通じて出される」が約5割となりました。

「オンライン学習での自習をすすめる」は3割弱、「オンライン授業が行われている」学校は1割強となっており、まだまだオンラインではなく、プリント配布やメール等でのやり取りがメインとなっていることがわかります。


学校のサポート



学校のサポートですが、国公立の高校と私立の高校では、一部違いが見られました。
私立高校では、テキストやプリントの配布よりネット(ホームページやメールなど)を通じて課題が出される割合が高く、また「オンライン授業が行われている」割合は、国公立の約3倍(国公立9% 私立26%)となり、よりオンラインでの対応が進んでいることがわかります。


学校のサポート_学校区分




学校からの学習サポートとしてのオンライン授業は全体では1割強、私立の高校で3割弱という結果ですが、高校生の自宅でのインターネット環境については、比較的整っていることがわかります。「わからない」などの回答もありますが、「家でインターネット回線を使っていない」という回答はわずか2%となっていました。

インターネット環境


3.高校生のオンライン学習・授業を受ける環境は、スマートフォンが7割

オンラインで自宅学習をする場合、高校生は何を使って行っているのでしょうか。オンラインでの自習やオンライン授業が行われている高校生に聴取しました。すると利用するデバイスは、スマートフォンが約7割。次いでタブレット、ノートパソコンが約2割となりました。

今後、オンライン学習やオンライン授業の導入を進めるにあたり、スマートフォンでの学習を想定した対応は重要になってくるかもしれません。


オンライン授業デバイス




4.自宅での過ごし方は、「ネットやアプリ」「ゲーム」をする時間などが増え、約5割弱が「やる気が起きないことが増えた」と回答

新型コロナウイルスの影響で、休校や外出自粛要請などがあり、生活に大きな変化が出ました。実際に、高校生たちはどのような生活変化や気持ちの変化を感じているのでしょうか。

まず、「増えたこと」は女性では「ネットやアプリを見たり遊んだりしている時間」が約8割。「寝ている時間/夜更かしすること」が次いで7割強と生活の乱れも出てきていることが見受けられます。
男性は、「ゲームをしている時間」が6割強で最も増えたと回答。次いで、「ネットやアプリを見たり遊んだりする時間」が約6割と続きました。


高校生_増えたこと




反対に、生活の中で減ったことは、「外出する回数」「友達と会う回数」「運動」が上位となりました。外出自粛、休校の影響が大きく出ています。
男女ともにランキングは同じでした。


高校生_減ったこと



生活の変化とは別に、気持ちの変化も聴取しました。その結果、男女ともに「やる気の起きないことが増えた」が1位となっています。
ただ、ランキングの顔ぶれを見てみると「今まで時間がなくてできなかったことをする良い機会だと感じるようになった」や「時間のゆとりができてうれしい」や「ひとりの時間ができて気楽」など、この状況を前向きに感じている部分も見受けられます。

高校生_気持ちの変化


5.「勉強の遅れ」「運動不足」が生活の中で“困っていること”の上位

高校生が現在の生活で困っていることについては、「勉強の遅れてしまいそう」と「運動不足・太ってきた/太りそう」が共通して上位にあげられました。これも休校と外出自粛の影響が出ていることが考えられます。
それ以外には、「ネットやゲームをずっとしてしまう/やめられない」「夜遅くまで起きていて、昼すぎまで寝てしまう」と生活が乱れていることを本人たちも気にしている様子がうかがえます。

高校生_生活で困っていること



6.アルバイトの状況は、約半数がシフトが減り、約6割が収入の減少

高校生のアルバイト状況にはどのような影響があったでしょうか。
高校生のアルバイトをしている割合ですが、もともと1割強が新型コロナ感染拡大前にアルバイトをしていたという結果になっています。

高校生_アルバイト状況




アルバイトをしている1割強の高校生のアルバイトの目的については、「趣味や好きなことに使うため」が最も多く8割強となっています。
しかし一方で、「学校の費用にあてるため」「自分の生活費にあてるため」「同居している家族の生活費にあてるため」といった生活必要度の高い目的の回答も1~2割ずつみられました。

高校生_アルバイト目的




新型コロナウイルス感染拡大後、半数が「アルバイトのシフトが減った」と回答。
約1割が「アルバイトをやめることになった/やめざるをえなくなった」と回答しています。

高校生_アルバイト現状



新型コロナウイルスの影響による具体的な収入の変化は、減少した人は約6割減収額は平均で約30,000円(下部左円グラフ)となっています。
さらに、それを「生活費や学費目的でアルバイトをしていた高校生」に絞ると(下部右円グラフ)、収入が減少した割合が7割弱となっています。全体と比較すると2万円~5万円未満の減収割合が高くなっています。

アルバイトが学費や生活の支えの1つになっている場合では、今回の減収が生活に与える影響がかなり大きいことがうかがえます。

高校生_アルバイト収入




前項で上げた『生活の中で困っていること』についても、生活費・学費目的でアルバイトをしていた高校生では全体とは傾向が違いました。
「趣味」や「貯金」のためにアルバイトをしている高校生と比較すると、「政府や自治体などから、学生向けのお金や生活面でのサポートが欲しい」が約6割と高く、最も困っていることとなりました。「収入が減りそう/減っている」も高い結果となっています。


高校生_アルバイト困りごと






新型コロナウイルスによる企業への影響やサポートに関する報道はニュース等で見られますが、高校生にとっても、経済的にも大きな影響が出ていることが分かりました。
勉強や心や生活の面では、高校生も前向きに日常を保とうとしています。ひとまずWifi環境が比較的整っていそうな部分は救いでしょうか。早期のオンラインでの支援、そのほか、子どもたちと接触を絶やさないための工夫が必要です。
なお、コロナ禍によるアルバイトの減収は、日々を支える収入を一部担っている高校生にとっては非常に大きな問題です。この問題へのサポートや情報提供が適切に行われるにはどうするべきか考えていきたいと思います。

LINEリサーチでは、今後も必要性を見極めて、定期的に新型コロナウイルスについての調査を行い、情報を発信していきます。様々な局面で皆さまに役立つ調査のインフラとして、より良い社会生活のために活動してまいります。


【調査について】

LINEユーザーを対象にしたスマートフォンWeb調査
調査対象:日本全国の15歳~17歳の高校生
実施時期:2020年4月15日~17日
有効回収数:910サンプル
※性別年代構成比を市場にあわせて回収 

【調査データの引用・転載について】

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