LINEリサーチでは、昨年4月より新型コロナウイルスに関する調査を継続的に実施しており、今回で7回目となります。
今回は、調査時点のワクチン接種状況、具体的な不安対策、新型コロナが落ち着いたらしたいことなどを調査しました。

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◆Topics◆

1.10代は8割が新型コロナワクチン接種意向ありと回答
2.コロナへの不安度は、昨年4月に次いで高く約9割
3.半数以上の人の不安は、感染状況に対する具体的な対策が見えていないこと
4.「感染したら」「自宅療養になったら」「予防法」など、みんなの備えは?
5.ワクチン2回接種についての認識
6.「旅行」「飲食」「行楽・イベント」は高需要~コロナが落ち着いたらやりたいこと~

1.10代は8割が新型コロナワクチン接種意向ありと回答

この9/8調査時点のワクチン接種状況は、2回接種を終えた方が5割、1回目の接種を終えた方を足すと7割弱の方が接種をされたタイミングでした。
※こちらは当時の官邸公式の発表とほぼ同じ分布となっています。
今回はこのタイミングで行った調査であることを前提として、結果をお伝えします。

全体の分布としては、先に述べたように「1回以上接種を終えた」方は7割弱、「1回目の予約をした」方が1割強、「1回目の予約をしたいがとれていない」方が1割弱でした。「接種はしない/できない」「わからない・答えたくない」方は1割強でした。


ワクチン接種状況_全体



なお、年代別の接種状況として10代後半と60代をみてみると、重症化リスクが大きく先に接種を進行した60代に比べ、あとから接種が開始された10代後半の接種割合は相対的に低いですが、それでも1回目の接種を終えたと回答した方は4割強となりました。 また、予約待ちや予約意向を含めると、10代で8割ほどの接種意向がみられる結果となりました。


ワクチン接種10代、60代




2.コロナへの不安度は、昨年4月に次いで高く約9割

新型コロナウイルスの日本での感染について、「とても不安に感じる」「不安を感じる」「やや不安を感じる」を合わせた【不安を感じる】割合は、今回の21年9月の調査時点では88%となり、20年4月の緊急事態宣言下に次いで高い割合となりました。不安度は8割以上と常に高止まり状態ではありますが、今回調査時点では「とても不安に感じる」の割合も高く、社会全体の不安度が高まっていたことがうかがえます。


不安度


3.半数以上の人の不安は、感染状況に対する具体的な対策が見えていないこと

実際にどのようなことを不安に感じているかをみてみると、「いつ自分や身近な人が感染してもおかしくない」「自分が感染してしまうかもしれない」「感染がどんどん広がっている/収まる兆しが見えない」という状況への心配に混ざって、「自分や家族が感染して自宅療養になったら、どうすればいいか」、「自分や家族が感染したら搬送先は見つかるのか」という感染時の具体的な行動への不安が上位にあがっており、すべて5割を超えていました。


感染不安


4.「感染したら」「自宅療養になったら」「予防法」など、みんなの備えは?

病床を増やすなど、根本的に個人では対応できないことが多いからこその不安ではありますが、少しでも慌てず対応ができるような対策は何かないのでしょうか。今回、たくさんの方の、具体的な「不安に感じていることに対して行っている対策」を聞きました。あなたの状況に合うヒントもあるかもしれません。公の情報と併せて、ぜひ参考にされてください。
①感染したときのために

【連絡・搬送先の確認】
・コロナ受け入れをしている病院がどこか、近隣の病院の入床率を確認(男性/38歳/茨城県)
・居住している市の相談センターや保健所の連絡先を把握し、いつでも電話できるようにしてある。(女性/24歳/三重県)
・コロナ相談窓口の電話は調べている。(女性/55歳/大阪府)

【かかりつけ医を意識的に作る】
・持病等がなく、かかりつけ医院がなかったのですが、あえてつくりました。(女性/60歳/東京都)
・自身の持病、疾患についてかかりつけ医に相談し、万一コロナに感染した場合の対処方法を確認。(男性/48歳/神奈川県)
・コロナ対応をしていて受診歴のある病院などを調べている(女性/45歳/東京都)

【入院準備をしておく】
・入院の用意は出来てる。地元の相談先の電話番号をわかるように貼ってある。(女性/54歳/大阪府)
・入院や隔離生活できるように、荷物を整理している。(女性/61歳/大阪府)
②搬送先がなく、自宅療養/自宅待機になったら

【食べ物などの備蓄・宅配の準備など】
・外出出来なくなるなるので、食料と水は多めにストックしてある。除菌スプレーなど多めに購入。(女性/47歳/神奈川県)
・紙コップなどを買っておいている。(男性/60歳/三重県)
・ネットスーパーをすぐ利用できるように登録してある。(女性/36歳/東京都)
・ネットで食品などを運んでくれるサービスに加入しました。(女性/39歳/広島県)

【医療品の備え】
・パルスオキシメーターを購入した。アセトアミノフェンの解熱剤を常備している。手袋や消毒液などの衛生用品を備蓄している。(女性/54歳/千葉県)
・やむなく自宅療養になった場合に備えて、隔離部屋の確保、マスク、消毒、経口補水液、レトルト食品、オキシメーター、スポーツ用酸素ボンベ等の備品確保。(女性/52歳/東京都)
・酸素濃度計や、非接触体温計、抗原検査キット、非常食、保冷剤、アルコール消毒液等々、必要と思われるものを購入備蓄している。(女性/53歳/神奈川県)

【自宅隔離の方法を考案】
・とりあえず部屋を分ける、ご飯を別にする。トイレは二階にあるので生活圏を分けるなど(女性/60歳/京都府)
・自宅で隔離できる部屋を決め、トイレ以外出なくていいように必要なものを室内に準備している。介助者用に手袋や消毒液等も準備。小さい子供がいるため、場合によっては、感染していない方が、ホテル等に宿泊する。(女性/38歳/福岡県)
・子供達に連絡し、接触しないようにして主人とは1階と2階に別れて生活し食事はそれぞれに摂るように考えています。(女性/65歳/埼玉県)

【いざかかった場合の情報を集めておく】
・市のホームページや、職場(病院)、その他で情報収集している (女性/32歳/静岡県)
・SNSでコロナに感染した方の話を読んだり、医療関係者の方の情報発信を読むようにしてる。(女性/26歳/岡山県)
・隔離するような広さはないので、感染された方がどのような工夫をされているかインターネットで調べたり、記事が目に入れば読む。(女性/38歳/千葉県)

【家族や看護者との連携を決めておく】
・遠方にいる親族友人等への連絡は行っている。(女性/24歳/東京都)
・一緒に暮らしているパートナーと、もしお互い感染したらどうするか話したりしています。(女性/40歳/福井県)
・感染者が出た場合、速やかに他の場所に移動できるよう親戚と連携をたてている(女性/45歳/茨城県)
・近くに頼れる身内が居ないので、いざと言う時の連絡先や、宅配の注文、ある程度の現金の場所を家族で話し合っている。子供達にも色んな場合を想定して心の準備をしている。(女性/49歳/神奈川県)
③そもそも感染をなるべく避けるために

【感染予防】
・帰ったら直ぐにお風呂に入る(女性/21歳/福岡県)
・電車など人多い場所に行く時はウレタンマスクではなく、不織布マスク着用。(女性/29歳/大阪府)
・手洗い、うがい、マスクの着用、外出先でのアルコール、自宅でペーパータオルの使用(女性/19歳/静岡県)

【感染リスクを避ける】
・東京から田舎に行く事を控えている。(男性/38歳/東京都)
・リモートワークを多めにしている(男性/36歳/東京都)
・友人とのコミュニケーションはズーム飲み会に変更。仕事中は必ずマスク。土日は自宅にいる。(男性/49歳/兵庫県)
・買い物や外出する回数をへらしたり、混んでいない頃を見計らっていく。(女性/62歳/大阪府)

【健康・免疫を保つ】
・余裕を持った将来設計を持ち、日頃から適度なストレス発散を心がけている。(女性/18歳/福岡県)
・かからないように運動したり、きちんと睡眠とったり、一日三食を徹底している(男性/20歳/東京都)

5.ワクチン2回接種についての認識

様々な感染防止対策の中で「ワクチン接種」もその一つではありますが、「2回接種が完了した後」に関して、皆さんはどういったことを認識されているか聞きました。

「2回の接種が終わっても感染することがある」「2回の接種が終わっても感染対策が必要」は8割の方が認識しており、「2回接種した後に感染した場合、重症化する可能性が低くなる」「2回接種した後に感染した場合、まわりにも感染させてしまう可能性がある」は6割程度の認識となりました。6割の2つは、少し内容がとらえにくかったのかもしれません。

「2回接種しても感染自体はするし、人に感染させる」「だから引き続き感染対策がいる」という点では、感染対策としては今まで通り、最近はブレイクスルー感染のケースも出てきているので気を緩めずに対策していくことは必要です。一方、「2回接種をした本人は、感染したあとに重症化する可能性は低くなる」というところは、医療体制のひっ迫の改善としては新しいメリットという考え方もできそうです。

2回目接種後の認識

6.「旅行」「飲食」「行楽・イベント」は高需要~コロナが落ち着いたらやりたいこと~

感染に対する対策をしている方、ワクチン接種後も引き続き感染対策が必要という認識を持っている方は多いことがわかりました。

そういった個々の意識により、最近は感染者数も減少し、行動制限緩和の案なども出てきています。まだまだ油断はできないものの、より新型コロナウイルスの感染拡大をコントロールできるようになる日が近付いているかもしれません。
そこで、状況が落ち着いてきたらやりたいことを聞きました。

全体では「国内旅行」「会いたい人と、感染を気にすることなく会う」が7割弱となっています。

コロナ明けやりたいこと_全体



年代別でも上位2位までは変わりませんが、それ以外の特徴的なところは以下です。
「カラオケ」:10代で、ほかの年代と比べ高くなっており6割弱
「テーマパーク」:10代~30代で、それぞれ5割以上
「お店でお酒を飲む/飲み会をする」:20代~50代で、それぞれ5~6割。
特に男性の40代、50代で高い傾向

なお、全体トップでもある「国内旅行」は20代がもっとも高くなっており、5位以内に入っていないものの「海外旅行」もこの年代がもっとも高くなりました。特に女性20代で高くなっています。

新型コロナウイルスの収束後には、さまざまな業界で活気が戻ってくることが予想できそうです。


コロナ明けやりたいこと_年代別


新型コロナウイルスの感染拡大の状況は日々変わっており、今は少しずつ感染拡大が収束していく兆しが見えています。
しかし、新型コロナウィルスをインフルエンザのように制御できるようになるまでには、何度かの波を繰り返す可能性があると専門家は話しています。今回ご回答いただいたみなさんの不安への備えが、これを読んでくださった方の不安解消の助けになるとよいと思います。 日々の状況になかなか油断はできませんが、早く会いたい人に会い、お店で食事をし、旅行を楽しむことができるよう、学校生活が取り戻せるよう、日々できる対策を行いながら乗り切っていきましょう。

【関連調査】


【調査について】

LINEユーザーを対象にしたスマートフォンWeb調査
調査対象:日本全国の15歳~69歳の男女
実施時期:①2020年2月5日実施 ②2020年2月19日実施 ③2020年3月2日実施 ④2020年4月16日実施  ⑤2020年8月31日実施 ⑥2021年2月19日実施 ⑦2021年9月8日実施
有効回収数:①5,233名 ②5,024名 ③4,991名 ④10,442名 ⑤10,448名 ⑥10,295名 ⑦10,454名
※LINEユーザーの性年代構成比にあわせてウェイトバック
※各回フレッシュサンプルで実施

【調査データの引用・転載について】

調査データの引用・転載の際は、必ず「出典:LINEリサーチ」と明記いただけますようお願いいたします。引用・転載先がWebページ(メディア/ブログ等)である場合には、該当ブログ記事のURLをリンクしてご掲載ください。

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