地方税法等の改正によって2008年5月から始まった「ふるさと納税」制度。制度開始から10年以上たち、ニュースやテレビなどでも見かける機会が増えてきました。
LINEリサーチでは、そんな「ふるさと納税」について15歳以上の男女に調査。認知や寄附経験、返礼品を選ぶ時の重視点などの結果をご紹介します。

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◆Topics◆

1.ふるさと納税の認知率は6割、寄附や手続きの利用経験率は約3割
2.ふるさと納税の利用理由の1位は「返礼品が魅力的だから」
3.返礼品を選ぶ時の重視点は「自分や家族が食べたい/ほしいもの」かどうか
4.今後「ふるさと納税」をする意向。寄附経験者は9割近くが利用意向あり

1.ふるさと納税の認知率は6割、寄附や手続きの利用経験率は約3割

ふるさと納税について、知っているか・手続きしたことがあるかについて聞きました。
全体では、「自分が手続きをして、したことがある」「自分で手続きはしたことはないが、家族がしたことがある」を合わせた【自分または家族が手続きしたことがある】の寄附経験率は約3割「自分も家族もしたことはないが、仕組みは知っている」を含めた認知率は6割となりました。
「名前を見聞きしたことがある程度 (仕組みは知らない)」割合を含めると9割超となり、「ふるさと納税」という制度が浸透している様子がわかります。

年代別で見てみると、認知率については、10代で「まったく知らない(このアンケートで初めて知った)」が1割となり、他の年代よりやや高くなっています。
一方、すべての年代で「仕組みまで理解している」という人は約6割となり、年代で大きな差はありませんでした。 自分または家族が手続きした寄附経験率については、20代、30代で3割以上となり、30代がもっとも高く39%となりました。なかでも、30代男性は4割超となっています。
グラフにはありませんが、寄附経験の割合は経営者、会社員、公務員といった職業で高い割合となりました。

ふるさと納税認知



2.ふるさと納税の利用理由の1位は「返礼品が魅力的だから」

次に、ふるさと納税を自分または家族が手続きしたことのある寄附経験者の意見をみてみましょう。地元貢献、地域活性化や節税など、さまざまなメリットがあるふるさと納税ですが、どのような理由で利用している人が多いのでしょうか。

全体の寄附理由として、もっとも高かったのが「返礼品が魅力的だから」で7割弱すべての年代でもっとも高い割合となりました。次いで、「節税になるから」が5割強、「お得だから」が4割強と続きます。10代から60代の全年代でこの3つの理由がTOP3となりました。

年代別の傾向では、「節税になるから」は、20代から50代の有職者が多い年代で5割以上と高い傾向となりました。中でも、30代でもっとも高く7割弱となっています。実際に、自分で手続き/寄附をする割合も30代がもっとも高くなっており、所得税や住民税の控除が受けられるという制度を活用したいという意識が、他の年代よりもさらに高いのかもしれません。「お得だから」も同様に30代がもっとも高くなっています。 40代以降では、「地域活性化につながると思うから」が2割以上で、特に60代では約25%ともっとも割合が高くなっています。

ふるさと納税寄付理由


3.返礼品を選ぶ時の重視点は「自分や家族が食べたい/ほしいもの」かどうか

「返礼品の魅力」が、寄附理由としてもっとも高くなりましたが、寄附経験者が、返礼品を選ぶ時にどのようなポイントを重視しているか聞いてみました。
男女ともに、「自分が食べたいもの/ほしいもの」「家族が食べたいもの/ほしがるもの」が上位となりました。自分がほしいものはもちろん、家族のために返礼品を選んでいるという人も多いようです。 また、男性では「お得なもの/還元率が高いもの」が3位となり2割強。女性では「ふだん買わないような高級なもの」が2割強で、男性よりも高くなりました。また、「口コミの評価が高いもの」や「レビュー/感想の数が多いもの」といった点も女性の方が男性に比べて高い割合となりました。

ふるさと納税返礼品重視点


実際に、返礼品はどのようなものが人気なのか、2021年にどんな返礼品を選んだかを聞いてみたところ、1位は男女ともに「肉」となりました。次いで、「魚介類」となっています。 3位以降とは7ポイント以上の差があり、「肉」「魚介類」が男女ともに人気がある返礼品の種類であることがわかります。
なお、男性の3位は「米」、「お酒」は6位にランクインし、1~2割弱となりました。一方、女性は「果物」が2割強で3位となり、男性に比べて高い割合となりました。シャインマスカットやメロンなど、高級なフルーツなども返礼品のラインナップにも多いですね。
返礼品ランキング

4.今後「ふるさと納税」をする意向。寄附経験者は9割近くが利用意向あり

1年ごとに寄附ができるふるさと納税ですが、今後の利用意向はどうでしょうか?

・実際に手続きをしたことがある「寄附経験者」
・寄附経験はないが、仕組みまで知っている「仕組みまでの認知者」
・名前のみ知っている「名前のみの認知者」
・ふるさと納税について名前も知らなかった「まったく知らない人」

状況を4つに分けて、今後の利用意向をみてみました。
認知や理解、利用経験が高い人のほうが今後の利用意向の割合も高くなる傾向となり、「寄附経験者」の今後利用意向は9割近く、かつ「ぜひしてみたい」が約7割と高くなっています。ふるさと納税を今後も積極的に活用していきたいという意向が高いことがわかります。
「仕組みまでの認知者」は約5割、「名前のみの認知者」においても約4割ほど利用意向があります。ただし、「名前のみの認知者」は「どちらともいえない」の割合も約4割となっています。仕組みを知った上でないと判断しづらい部分もあるのかもしれません。
「まったく知らない」と回答した人は、今後の利用意向は低く、ふるさと納税を今後利用したくない割合が半数以上となりました。  1度でも寄附経験があることで、手続き方法の理解や返礼品の魅力などを感じることができるのか、 利用していきたいという意向がより強くなる傾向となりました。

ふるさと納税今後利用意向



第1弾の金融商品に関する調査に続き、今回は「ふるさと納税」についてご紹介しました。
返礼品の魅力はもちろん、節税や地域貢献のため、といった様々な理由で「ふるさと納税」を利用している様子がわかりました。 2015年に始まったふるさと納税ワンストップ特例制度やふるさと納税に関連するサービスも出てきて、ますます便利に利用できる環境となってきています。 今後も「ふるさと納税」がどのように浸透していくか注目ですね。


【調査について】

LINEユーザーを対象にしたスマートフォンWeb調査
調査対象:日本全国 13歳~79歳までの男女
実施時期:2021年12月22日~12月24日
有効回収数:535,187サンプル
集計対象:有効回収数の中からランダム抽出した男女15-69歳の47,794サンプル
※性別年代構成比を市場にあわせてウェイトバック
※表/グラフ中の数字は小数第一位または第二位を四捨五入しているため、合計しても100%にならなかったり、同じパーセンテージでも見え方が異なったりする場合があります

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