私たちは「モノ」や「サービス」を選択する際、「みんなが使っているかどうか」を目安にすることがあります。「みんな」とは果たして誰でしょう?よく考えると極めて曖昧なイメージであり、感覚的なものであることがわかります。しかしその空気が私たちの行動を決める1つの要因になっているのも確かなことです。

本シリーズでは「みんなが使っている」という空気感を頼りに、今と近未来の流行の予想をしてみたいと思います。 

main

18回目は、少人数で行う結婚式「マイクロウェディング」を取り上げます。招待する人数が最小限のため費用が抑えられるほか、準備にもそれほど手間がかからず、感染症対策もしやすいといったメリットがあります。どのくらい普及しているのかという現状から、これから先の流行がどうなっていくのかを探っていきます。

◆Topics◆

1.「マイクロウェディング」の現状と認知度
2.どのくらいの人が利用していそう?~現在の流行体感~
3.1年後はどうなるか~近未来の流行予想~
4.自分は利用してみたいか?~今後の利用意向~
5.「マイクロウェディング」は今より8倍以上伸びる!?

1.「マイクロウェディング」の現状と認知度

graph_1

マイクロウェディングとは、家族や親戚、友人などの親しい間柄の人を招いて行う「少人数制」の結婚式や結婚パーティーのことです。多人数を招待する場合に比べて費用が抑えられるだけでなく、ゲストと交流しやすい、結婚式の内容にこだわれるといった魅力も。また、感染症対策がしやすいため参加者も安心して参加できるといったメリットもあり、注目を集めています。

開催することだけでなく、参加(参列)する側も含めて、「マイクロウェディング」の現状について調査したところ、主な結果は以下でした。


・マイクロウェディングの認知率は全体で18%

・「知っているし、利用したことがある」という利用経験率は全体で3%



「マイクロウェディング」の認知率は全体で18%となり、男女別にみても認知率に大きな差はみられませんでした。
年代別にみると、男性では認知率の差はほぼみられなかったものの、女性では30~50代と比べて10~20代のほうがやや割合が高く、2割強となっています。

「知っているし、利用したことがある」という利用経験率は全体で3%でした。男女別、年代別でみても、ほぼ差はみられませんでした。


2.どのくらいの人が利用していそう?~現在の流行体感~

graph_2

次に「マイクロウェディング」を利用している人※が、現在身の回りにどのくらいいると思うかを想像して答えてもらいました。グラフにある流行体感スコアは、100人中どのくらいの人が利用していそうかをスコアとして算出した数値です。
※開催する側・参加する側での利用をすべて含めて(オンライン含む)回答いただきました。

その結果「マイクロウェディング」の流行体感スコアは全体で「3.4」で、およそ100人に3人が利用しているイメージを持たれていることがわかります。
男女別、年代別でみても、全体の結果と大きな差はみられませんでした。


3.1年後はどうなるか~近未来の流行予想~

graph_3

次に「1年後、自分のまわりでどのくらいの人が利用している※と思うか」を想像して答えてもらいました。グラフにある流行予想スコアは、100人中どのくらいの人が1年後に利用していそうかを算出した数値です。
※開催する側・参加する側での利用をすべて含めて(オンライン含む)回答いただきました。

「マイクロウェディング」の流行予想スコアは全体で「28.5」で、およそ3~4人に1人が1年後に利用していそうというイメージでした。現在の流行体感から比較すると、1年後には今の8倍以上浸透しているというイメージになります。男女別でみると、男性より女性のほうがスコアがやや高くなっています。年代別では、男女ともにスコアに大きな差はみられませんでした。

「マイクロウェディング」を1年後に利用していそう/していなさそうと思う、それぞれの意見を聞きました。今回は年代や環境によって、自身やまわりに結婚の予定がないといったコメントも多く寄せられました。その他の意見をご紹介します。
■流行予想として「半数くらいの人が利用していそう」と思う人の意見

「費用が抑えられるし、人数が少ないためコロナ禍でも式が開催できるから」(女性/18歳)

「そこまで派手に結婚式を挙げたい人が少ないのではと思うから」(男性/27歳)

「お金をかけず、親しい人だけの式がだんだん主流になってきた気がするから」(女性/38歳)

「盛大な披露宴は経済的にも人付き合い的にも、若者には負担が多すぎる。過去の慣例に縛られていた人も、コロナ禍で自由な選択をするようになるのでは」(男性/44歳)

「昔みたいに仲人さんとかいなくなったので、友達等の気の合う人を呼んで行うから」(女性/54歳)
■流行予想として「誰も利用しないであろう」と思う人の意見

「自分のまわりには今までのように盛大に行うか、やらないかのどちらかで考える人が多いと思うから」(女性/19歳)

「マイクロウェディングについて知らないから」(男性/21歳)

「コロナ禍でも通常通り結婚式をしている人がほとんどだったため」(男性/27歳)

「そもそも結婚する人が減っていくだろう」(男性/38歳)

「私のまわりではなさそう。婚姻届のみでパーティーはしないという知り合いが増えている」(女性/53歳)


4.自分は利用してみたいか?~今後の利用意向~

graph_4

次に、今後の利用の意向※について回答してもらったところ、利用意向がある人の割合(「ぜひ利用してみたいと思う」「機会があれば利用してみたいと思う」の合計)は全体で35%となりました。
男女別にみると、男性よりも女性のほうが高い割合で、10~20代女性では46%、30~50代女性では41%という結果でした。年代別にみると、男女ともに10~20代のほうが高い割合でした。

一方、利用意向がない人の割合(「あまり利用してみたいと思わない」「まったく利用してみたいと思わない」の合計)は、全体で31%でした。

「マイクロウェディング」の利用意向がある人/ない人、それぞれの意見をご紹介します。
今回の調査では、結婚式等の開催や参加予定がない方も、"今後そのような機会がもしあったら"を想像して答えていただきましたが、利用意向がない人の理由としては、自身やまわりに結婚の予定がないといった意見も散見されました。それ以外の意見では、以下のような内容が見られました。
※開催する側・参加する側での利用をすべて含めて(オンライン含む)回答いただきました。

■「利用意向あり」の人の意見

「費用を抑えたい。ゆっくり一人一人と交流したい。こじんまり行いたい」(女性/18歳)

「結婚式はしたいが大勢の人を呼んでまではしなくていいから」(男性/20歳)

「参加してみて新郎新婦の人柄やこだわりがよく伝わる式だったので、自分も挙式をするならこうしたスタイルで行いたいと思ったため」(女性/28歳)

「少人数な分、本当にお祝いしたいという人だけになると思うと、そちらのほうがアットホームないいお式になりそう」(女性/47歳)

「私自身も小さな結婚式という形でしました。息子や娘が結婚する時は、それでいいんじゃないかと勧める気がします」(女性/52歳)
■「利用意向なし」の人の意見

「やはり大人数で結婚式を挙げたいから」(男性/19歳)

「自分が主役で人が集まってくれるのは結婚式くらいだから、たくさん人を呼びたい」(女性/21歳)

「従来の大人数での結婚式のイメージがまだ強いから」(男性/29歳)

「人生に一回のもの。できれば盛大に行いたい」(男性/43歳)

「式などせず写真だけ残せばいいと思うから」(男性/50歳)


5.「マイクロウェディング」は今より8倍以上伸びる!?

graph_5

ここまでの主な数値をまとめてみました。2022年4月8日時点、「マイクロウェディング」の認知率は約18%、利用経験率は約3%でした。

流行体感としては、全体で“およそ100人に3人が利用している”イメージを持たれているようです。そして、今から1年後には、現在の8倍以上にあたる“およそ3~4人に1人ぐらいが利用していそう”というイメージを持たれています。

男女年代別にみると、今後の利用意向では、10~20代女性が他の層よりも高く、約46%の利用意向があります。また、流行体感スコアは男女別、年代別にみても、大きな差はみられませんでした。1年後の流行予想スコアでは、男性よりも女性のほうがやや高めの割合でした。


少人数で行う「マイクロウェディング」は、全体で2割弱の人が認知していました。いわゆるシンプルなウェディングの形式ですが、今回の調査時点では、全体的にまだ言葉や詳細は浸透していない様子で、実際に開催・参加したことがある人も少数にとどまっているようです。ただし1年後には、およそ3~4人に1人が利用しそうと予想されており、「費用を抑えられる」「少人数でアットホームな式にできる」など、好意的な意見が多く集まりました。一方で、「結婚式はたくさん人を呼びたい」「従来の盛大な結婚式に憧れを持っている」という意見もありました。
長引くコロナ禍において、感染症対策がしやすいというメリットもあるマイクロウェディング。結婚式の新しい選択肢として、今後の利用がどのように広がっていくか注目です。


【調査について】

LINEユーザーを対象にしたスマートフォンWeb調査
調査対象:日本全国の18~59歳男女
実施時期:2022年4月8日~2022年4月11日
有効回収数:2108サンプル
※性別年代構成比を市場にあわせてウェイトバック
※表/グラフ中の数字は小数第一位または第二位を四捨五入しているため、合計しても100%にならなかったり、同じパーセンテージでも見え方が異なったりする場合があります

【調査データの引用・転載について】

調査データの引用・転載の際は、必ず「出典:LINEリサーチ」と明記いただけますようお願いいたします。引用・転載先がWebページ(メディア/ブログ等)である場合には、該当ブログ記事のURLをリンクしてご掲載ください。

報道関係者様による引用の場合、利用・掲載状況の把握のため報道関係のお客様からのお問い合わせまでご連絡いただけると幸いです。

【LINEリサーチについて】

『リサーチノート』はLINEリサーチが運営する調査メディアです。LINEリサーチでは500万人を超える豊富なモニターによりテーマごとに様々な調査が可能です。スマートフォン調査をお考えの場合は、お気軽にご相談・お問合せください。

▼LINEリサーチに関する資料のご請求はこちら▼
document_request

▼LINEリサーチでの調査や調査に関するご相談はこちら▼
inquiry_form