最近では、学校制服を性別にかかわらず選べるようになってきています。高校生は、制服選択制についてどう思っているのでしょうか?多様性の考え方も含めてリサーチしました。

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◆Topics◆

1.高校で制服選択制を実施していると回答した高校生は6割弱
2.全体で9割近くの高校生は、制服の選択制を支持!
3.高校生はふだん多様性について考えている?
4.高校生が多様性を考えるきっかけは?JKは「SNS」、DKは「テレビ」がTOP

1.高校で制服選択制を実施していると回答した高校生は6割弱

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制服の選択制とは、スカートだけでなくスラックス(パンツ)も選べるなど、性別に関係なく制服のタイプを自由に選べる制度のことです。はじめに、自分が通う高校で制服の選択制を実施しているかを聞きました。

その結果、57%の高校生が「実施している」と回答「実施していないが、今後する予定」を含めると60%となっています。
一方で「実施していないし、今後の予定はない(わからない)」は2割超、「実施しているかどうか、わからない」と答えた高校生は1割弱となりました。



2.全体で9割近くの高校生は、制服の選択制を支持!

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制服のある学校に通う高校生に、制服を選択制にすることについてどう思うかを聞きました。

全体では、「とてもいいと思う」が6割弱、「いいと思う」が3割弱となり、9割近くが【いいと思う】と回答しています。一方、「どちらともいえない」は全体で1割、「よくないと思う」「まったくよくないと思う」は1~2%にとどまりました。

男女別にみると、JKでは9割強、DKでは8割強が【いいと思う】と回答。どちらも高い割合ですが、特にJKで高くなっています。「とてもいいと思う」という意見も、JKで7割弱、DKで5割と、JKで高い割合です。

グラフにはありませんが、学年別では1年生で「とてもいいと思う」の割合が高く、特に高1JKで8割弱と高い割合に。

高校生にその理由を聞きました。制服選択制について「いいと思う」人、「どちらともいえない」人の意見をご紹介します。

制服選択制について「いいと思う」人の意見

・うちの学校は女の子でもズボンを選択している子が多いから(高1女子)

・私はリボンよりネクタイをつけたかったので、選択制はありがたい(高1女子)

・「男らしさ、女らしさ」というものに縛られなくて自由でいいから(高1男子)

・ジェンダーレス関係なく、冬は寒いからズボンをはくという女の子もいて、気にしている人でも気軽にズボンをはいていけるから(高1女子)

・自転車通学の人にとってはズボンが便利(高2女子)

・女子でもスラックスを選ぶことで防寒対策ができるし電車も乗りやすくなったから(高2女子)

・性の区別などによってつらい思いをする人が減るのであれば、実施する意味はあると思う(高2男子)
制服選択制について「どちらともいえない」人の意見

・うちの学校は選択式だが、女子でほとんどスラックスの人なんていない。みんなスカートだから、自分だけがスラックスという状況はかなり気まずく、結局周りと合わせるためにスカートにするから(高1女子)

・好きなのが着られるのはいいと思うけど、みんなに合わせて迷ってしまうかもしれない(高3女子)

・個人の自由は尊重されるが、面倒くささを感じる人もいると思う(高3男子)


3.高校生はふだん多様性について考えている?

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高校生に、ふだん“多様性”について考えることがあるかを聞きました。
※多様性とは、年齢、性別、性的指向、国籍、文化、障がいの有無といったさまざまな違いを認め合い、尊重し合うことをいいます。

全体では、「ときどきある」の割合がもっとも高く4割超という結果に。次に高い「よくある」と合わせると、ふだん多様性について【考えることがある】高校生は7割を超えます。男女別にみるとDKで7割超、JKで8割とJKのほうがやや高い割合となっています。また、「よくある」と回答した人の割合もJKのほうが高めです。
学年別では、「よくある」の割合は低学年になるほど高くなり、1年生でもっとも高くなっていました。

また、ふだん多様性について考えることが「あまりない」「まったくない」を合わせた【考えることがない】と答えた高校生の割合は2割強でした。


4.高校生が多様性を考えるきっかけは?JKは「SNS」、DKは「テレビ」がTOP

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多様性についてふだん考えることが「まったくない」と回答した高校生を除いて、多様性を考えるきっかけになっているものを聞きました。

全体TOPは「SNS(Twitter、Instagram、TikTokなど)」で4割弱。2位は僅差で、「テレビ(番組や特集、ニュースなど)」がランクイン。3位以降は「YouTube」「学校の授業や先生」「友だち」が3割前後で続きました。多様性に関して考えるきっかけとして、SNSやテレビが上位となりましたが、学校授業などもきっかけになって、考えることがある様子もうかがえます。

男女別・学年別でもTOP3は「SNS」「テレビ」「YouTube」となりました。日常の生活の中で触れる機会が多いものが上位になっているようです。

JKでは「SNS」が4割超でTOPとなり、DKと比べて高い割合です。YouTuberやTikTokerなどの「有名人やインフルエンサー」もJKでは割合が高くなっており、「SNS」の割合が高い背景には、インフルエンサーの影響もありそうですね。
ほかにも、「オリンピック / パラリンピック」も男女ともにランクインしています。東京2020オリンピック・パラリンピックでは、基本コンセプトの1つが「多様性と調和」ということもあり、感じるものがあったのかもしれません。全体的に、どの項目もJKの割合が高い傾向がみられますが、男女ともにSNSやテレビをはじめ、身近にいる人、マンガやアニメなど、さまざまなものから多様性を考えるきっかけを得ていることがわかりました。


9割近くの高校生が制服の選択制を支持し、ふだんの生活の中でさまざまなことをきっかけに多様性について考えていることがわかりました。制服の選択制が進むとともに、多様性への認知が高校生にどのように広がっていくのか注目ですね。


【調査について】

LINEユーザーを対象にしたスマートフォンWeb調査
調査対象:日本全国の高校1年生~3年生の男女
実施時期:2022年4月15日~2022年4月17日
有効回収数:1000サンプル
※表/グラフ中の数字は小数第一位または第二位を四捨五入しているため、合計しても100%にならなかったり、同じパーセンテージでも見え方が異なったりする場合があります

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