第2弾の「エシカル消費(Ethical Consumption)」に引き続き、実際に、人々や地域、社会、そして地球環境に配慮した企業の商品やサービスの利用意向、どのような商品・サービスを利用したいかといった内容をお届けします。
前回の記事 において、日常生活で取り入れることが難しい項目としてもっとも高かった「価格の高さ」が、エシカル商品の利用・購入へどのように影響するのかも交えてご紹介します。
※一般的に、「人々や地域、社会、そして地域環境に配慮した買い物や消費行動」を指しています。

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◆Topics◆

1.エシカル消費につながる商品やサービス、利用したい人は約7割
2.「人・社会・地域・環境に配慮している」と公表し、価格が高い商品・サービスの利用意向は約4割
3.今後利用したい商品・サービスは、「食品ロスを減らすことにつながる商品・サービス」

1.エシカル消費につながる商品やサービス、利用したい人は約7割

エシカル消費につながる企業の商品やサービスに触れる機会は日常生活の中でも増えてはきていますが、実際に利用したいと思う人はどのくらいいるのでしょうか。

「人・社会・地域・環境に配慮した企業の商品やサービス」を積極的に利用・購入したいかどうか聞いたところ、全体では「そう思う」「ややそう思う」を合わせた約7割が、利用・購入したいと回答しており、前向きな様子がうかがえます。

年代別でみると、どの年代も7割前後 となり、中でも10代と60代で利用・購入したいという意向が高い傾向となりました。
一方で、「あまりそう思わない」「そう思わない」という回答は1割以下となりました。

商材利用意向

2.「人・社会・地域・環境に配慮している」と公表し、価格が高い商品・サービスの利用意向は約4割

次に、「人・社会・地域・環境に配慮し た企業の商品やサービス」を積極的に利用・購入したいという意向がある人に、以下の2つの商品・サービスがあった場合に、どのような意向があるかについて聞きました。

▼調査内で提示した2つの商品・サービス

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全体では、人・社会・地域・環境に配慮していると公表し、価格が高い「Aを利用したい」「ややAを利用したい」を合わせた【Aを利用したい】割合は44%。人・社会・地域・環境に配慮しているとは公表せず、価格が安い「Bを利用したい」「ややBを利用したい」を合わせた【Bを利用したい】割合は、26%となり、【Aを利用したい】のほうが高くなりました「どちらともいえない」は3割と比較的ボリュームを占めています。

前のグラフでは【利用・購入したい】が各年代7割前後と高かったのに対して、【(価格が高い)Aを利用したい】は44%ということから、商品・サービスを選ぶ際に価格の高さが選ぶ際のネックの1つになっていることがわかります。

年代別でみると【Aを利用したい】割合は10代がもっとも高く5割超、次いで60代となりました。
ただし、10代の場合は学生が多く、消費に深く関わっているケースが、他の年代と比べて少ない可能性もあり、価格の高さに対する意識が、上の年代に比べて異なる可能性は考えられます。
20代、30代、40代は、1人暮らしや小さい子供がいる世代も多く、日常の商品やサービスを選ぶ際に家計への影響を考える機会がより多いのかもしれません。


商材利用意向(AB商材)


3.今後利用したい商品・サービスは、「食品ロスを減らすことにつながる商品・サービス」

前述の【【A】の商品・サービスを利用したいと回答した人】に、今後、どのようなものを利用したいか聞きました。
※人・社会・地域・環境に配慮していると公表された企業の商品・サービス。Bに比べると価格が高い

全体では「食品ロスを減らすことにつながる商品・サービス」が5割超でもっとも高くなり、次いで「LED電球や充電式電池など省エネの商品」が5割となりました。

今後利用したい商材


年代別にみると、ほとんどの項目において年代が上がるにつれて割合も高くなる傾向にありますが、年代ごとに利用したい商品やサービスの傾向がやや異なります。
「食品ロスを減らすことにつながる商品・サービス」は、10代~40代でTOPとなっています。

10代では「フェアトレード認証※の商品」が他の年代に比べて利用意向が高くなっています。また「エコマーク※の商品」についても上位となりました。 10代は、学校教育の中で知識を得ている傾向も高いことから、SDGsに関連する機能・基準を保証する認証ラベルを意識して利用しようと考えることが多いのかもしれません。
30代では他の年代に比べて「オーガニック商品」の利用意向が高い傾向となりました。

50代、60代では、「LED電球や充電式電池など省エネの商品」が高く6割前後となりました。この年代は、ふだん意識して行っている消費行動においても「節電」が高い傾向でした。
60代は、他の年代に比べTOP5の数値が高くなっており、利用意向の高さがうかがえます。 エシカル消費への興味や行動も高く、今後のエシカル商材への利用意向も高いことから、積極的に取り入れていきたいという意向が見受けられます。

※フェアトレード認証:公平・公正な貿易の認証商品
※エコマーク:環境保全に役立つと認められた商品に付けられるマーク

今後利用したい商材_年代別


エシカル消費に関する意識や行動について2記事にわたりお届けしました。
日常生活の中で目にしたり、手にする機会が増えたエシカルな商品やサービス。ただ、それらを取り入れるにあたっては「価格」の影響は少なからずあることがわかりました。しかしそういった中でも、エシカル消費に貢献している商品・サービスの利用意向は7割と高い数値となっています。課題はあるものの多くの生活者が、人・社会・地域・環境に配慮していこうという意識を持っていることがわかる結果となりました。

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【調査について】

LINEユーザーを対象にしたスマートフォンWeb調査
調査対象:日本全国の15~69歳男女
実施時期:2022年5月25日~5月28日
有効回収数:654,530サンプル
集計対象:有効回収数の中からランダム抽出した男女15~69歳の49,145サンプル
※性別年代構成比を市場にあわせてウェイトバック
※表/グラフ中の数字は小数第一位または第二位を四捨五入しているため、合計しても100%にならなかったり、同じパーセンテージでも見え方が異なったりする場合があります

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