1回目の『コロナ禍での働き方への意識の変化』に続き、2回目の今回は『企業を選ぶときの重視点と今後の働き方』についてお届けします。有職者*を対象に企業を選ぶ際のポイントや自分がしたい働き方について聞きました。ライフステージの異なる年代によってどのような違いがあるのかみていきましょう。
*経営者、会社員、公務員、自営業、自由業、パート・アルバイトの方が対象

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◆Topics◆

1. 若年層ほど「プライベートの方が大切」の割合が高くなる傾向に
2. 会社を選ぶときに特に重視すること「人間関係/職場の雰囲気が良いこと」が1位
3.「在宅勤務はしていない」が7割超、IT関連は他の業種より高い傾向
4. 今後したい働き方TOP2は「週休3日制」と「在宅勤務」で3割超

1. 若年層ほど「プライベートの方が大切」の割合が高くなる傾向に

18歳~59歳の男女のなかで有職者を対象に仕事とプライベート(私生活)どちらが大切か、率直な気持ちを聞きました。

全体では、「どちらかというとプライベートの方が大切」が約半数でもっとも割合が高く、次いで「プライベートの方が大切」が3割超でした。「プライベートの方が大切」と「どちらかというとプライベートの方が大切」を合わせた『プライベートが大切計』は8割超となっており、全体では、プライベートの方が (どちらかというと) 大切と考える人の方が多いことがわかりました。
一方で「どちらかといえば仕事の方が大切」と「仕事の方が大切」を合わせた『仕事が大切計』は2割弱となっています。

年代別でみると、若年層ほど「プライベートの方が大切」の割合が高くなる傾向にありました。また、年代が上がるほど「どちらかといえばプライベートが大切」「どちらかといえば仕事が大切」の割合が高くなっており、社会人経験を重ねることによる職位の変化や、ライフステージ (結婚や出産など) も変化するなかで一概に言いきれないというところがあるのかもしれません。
「仕事の方が大切」は年代で差はほとんどありませんでした。

グラフにはありませんが、男女ともに『プライベートが大切計』の割合が高く8~9割程度でした。男性は『仕事が大切計』の割合が女性に比べて高く、女性は『プライベートが大切計』の割合が男性に比べて高い結果となっています。

職種別では、【経営者・役員】は『仕事が大切計』が5割弱、『プライベートが大切計』が5割強で拮抗しています。【経営者・役員】や【自営業】は「どちらかというと仕事の方が大切」が3割超と他の職種に比べて高い傾向にありました。自身で経営やビジネスを管理することが多い職種はより仕事の方が大切、と考えている人がやや多くなる傾向のようです。

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2. 会社を選ぶときに特に重視すること「人間関係/職場の雰囲気が良いこと」が1位

続いて、有職者を対象に自分が働く会社や組織を選ぶときに、特に重視することを最大5つまで答えてもらいました。

全体では、「人間関係 / 職場の雰囲気が良いこと」がもっとも高く5割弱。次いで「給料 / 年収が高いこと」が4割でした。3位以降では、仕事内容に関する項目が多く「仕事内容が、自分の能力や適性に合っていること」「仕事内容が、働きがい / やりがいがあること」「仕事内容が、自分のやりたい / 得意なことであること」が3割前後となっています。

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性年代別をみると、男性はすべての年代で「給料 / 年収が高いこと」が1位で4割超となっています。男性の18~19歳、20代では、「休日が多いこと」「土日休みであること」が3位以内に入っています。20~30代では、「福利厚生 / 社員のへのサポート体制が充実していること」が5位以内に入っており、10代~30代では、仕事の条件面に関する項目が多くみられました。
また、年代があがるほど仕事内容に関する項目「仕事の内容が、自分の能力や適性に合っていること」「仕事内容が、働きがい / やりがいがあること」「仕事内容が、自分のやりたい / 得意なことであること」が挙がっています。

女性はすべての年代で「人間関係 / 職場の雰囲気が良いこと」がもっとも高く5~6割弱で、女性全体では男性全体に比べて約20ポイント高い結果でした。また、女性の若年層では、「給料 / 年収が高いこと」が4割を超えるのに対して、女性30代以降では年代があがるにつれて割合が低くなっています。
女性20~30代では、「福利厚生 / 社員のへのサポート体制が充実していること」の割合が高く、女性20代では約4割となっています。女性30~40代では、「土日休みであること」が3割台後半で他の年代に比べて高い結果でした。グラフにはありませんが、中学生以下の子どもを持つ人もこの項目において割合が高くなっています。子育てしながら働ける環境などを考える年代なのかもしれません。

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3.「在宅勤務はしていない」が7割超、IT関連は他の業種より高い傾向

続いて、コロナ禍によって加速したさまざまな「働き方」の中でも、特に大きな変化のあった「在宅勤務/テレワーク」についてみてみましょう。ここでは、「経営者/役員・会社員・公務員」を対象に状況を聞いてみました。

全体では、「在宅勤務/テレワークはしていない」がもっとも高く7割超でした。調査時点(7月)では、多くの人が、在宅勤務・テレワークはしていないことがわかりました。
一方、在宅勤務・テレワークしている人の頻度をみると、「2週間に1日以下」~「週3日以上」が、それぞれ1割前後となっています。

業種別でみると、【IT / 通信 / ソフトウェア】は、在宅勤務/テレワークをしていない割合は3割以下となり、頻度にかかわらず7割以上が在宅勤務/テレワークをしていることがわかります。ほかの業種と比べてみても圧倒的にその割合は高くなっており、在宅勤務やテレワークを導入しやすい環境がうかがえます。在宅勤務・テレワークしている人の頻度をみても、【IT / 通信 / ソフトウェア】では「週3日以上」の割合が圧倒的に高く4割超。次いで【金融/保険】【製造 / メーカー】【商社 / 卸売】が約1割となっています。

一方で【運輸 / 交通】や【医療 / 福祉 / 保育】においては「在宅勤務/テレワークはしていない」が9割前後と高く、【小売】や【教育 / 学習支援】も8割超でした。公共交通機関や医療関連、対面が主なサービスにおいては業務内容によって、そもそも導入が難しいことも考えられます。

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4. 今後したい働き方TOP2は「週休3日制」と「在宅勤務」で3割超

最後に、有職者を対象に、今後自分がしたい働き方について聞きました。いますでにしている勤務スタイルも含め、業種や職種では難しいと思う場合でも「したいと思う」働き方として回答いただきました。コロナ禍で注目が高まった在宅勤務をはじめ、フレックスタイム制やワーケーション、副業/兼業など、多様な働き方がありますが、今働いているみなさんはどのような働き方をしたいと思うのでしょうか。

全体では、「週休3日制」がもっとも高く3割超、僅差で「在宅勤務」が約3割となっています。次いで「副業 / 兼業」「勤務場所を選べる」「フレックスタイム制」が2割前後で続きます。「フリーランス/個人事業主」や「早期リタイア/FIRE」「ワーケーション」は1割ほどでした。
また、女性は「週休3日制」「在宅勤務」が男性よりもやや高い傾向にありました。男性は「早期リタイア / FIRE」が1割台(16%)と割合は低いものの女性に比べて10ポイント高く、特に男性30代では2割弱となっています。

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年代別でみると、10~20代では「週休3日制」が1位でそれぞれ約4割~5割となっています。特に男女18~19歳、女性20代で割合が高く5割前後でした。ここ最近では、大手企業を中心に導入が進みつつあることもあり、若い年代を中心に注目が高まっている様子。前項の結果をみても若年層は、仕事よりもプライベートが大切とする意識、自分が働く会社を選ぶときの重視点では「休日が多いこと」の割合が他の年代よりも高い傾向であることなども影響しているのかもしれません。

20代では「在宅勤務」が約4割と高く、特に女性20~30代で4割超となっています。この年代は小さい子どもを持つ母親が多いことも想定され家事との両立が比較的しやすい在宅勤務が好まれるのかもしれません。更に、20~30代では「勤務場所を選べる」というのも2割超となっています。また、「副業/兼業」はすべての年代で3位以内となりました。20~40代を中心に2割台後半~3割となっており、特に30代男性では高い傾向となっています。

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今回は、有職者を対象に働き方の変化や意識についてみてきました。
多くの人が、仕事よりプライベート(私生活)のほうが大切と意識しており、そのなかでも若年層になるほどその意識が高くなることがわかりました。また、男女や年代によっても会社や組織を選ぶ際のポイントや今後してみたい働き方に違いがみられました。ここ数年で耳にすることも増えた「週休3日制」「在宅勤務」「副業/兼業」は、自分がしたい働き方としてTOP3となり、多様な働き方が求められている様子がうかがえる結果でした。
次回3回目は副業/兼業の現状とこれからについてお届けします。


【調査について】

LINEユーザーを対象にしたスマートフォンWeb調査
調査対象:日本全国の18~59歳男女
実施時期:2022年7月19日~21日
有効回収数:454,712サンプル
集計対象:有効回収数の中からランダム抽出した男女18~59歳の43,320サンプルのうち、有職者は32,741サンプル
※性別年代構成比を市場にあわせてウェイトバック
※表/グラフ中の数字は小数第一位または第二位を四捨五入しているため、合計しても100%にならなかったり、同じパーセンテージでも見え方が異なったりする場合があります

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